フェイスリフト

たるみの原因には、皮膚、皮下脂肪、筋肉、靭帯、骨の5つの組織の変化が関係しています。
これらは加齢により連鎖的に変化し、重力に逆らえなくなることで、見た目の老化が進行します。

皮膚の変化

年齢とともに肌を守る力が低下し、紫外線や乾燥などの影響を受けやすくなります。
コラーゲンやエラスチンの生成も減少し、弾力やハリが失われることで、皮膚が下垂しやすくなります。

皮下脂肪の変化

顔の脂肪は、加齢により減少・移動・下垂が起こります。
若い頃は均等だった脂肪が局所的にたまり、フェイスラインの崩れやほうれい線を目立たせる要因となります。

筋肉（表情筋）のゆるみ

皮膚や脂肪を支えている表情筋も、加齢とともに萎縮し、ハリや収縮力が低下します。
その結果、重力に抗えず、皮膚や脂肪を支えきれずにたるみが進行します。

靭帯のゆるみ

顔の深部にある靭帯は、皮膚や筋肉、脂肪を骨にしっかりと固定しています。
しかし加齢により靭帯が緩むと、顔全体の構造が不安定になり、組織全体が下垂しやすくなります。

骨の変化

加齢により顔の骨密度が低下し、骨格そのものが痩せて小さくなることで、支える土台が縮小します。
これにより皮膚や脂肪、筋肉が支えられなくなり、たるみが強調されるようになります。

フェイスリフトは、加齢によって下がった皮膚や筋膜（SMAS）を外科的に引き上げる治療です。
たるみの根本原因にアプローチすることで、フェイスラインや頬のもたつきを大きく改善し、若々しい印象へ導きます。
糸リフトや注入では効果が物足りない方、本格的な若返りを求める方に選ばれています。

フェイスリフトは、加齢などでたるんだフェイスラインをメスを使ってリフトアップさせる治療です。
高い持続効果が得られるため、注入治療や糸リフト、医療機器などによるたるみ治療では物足りない方におすすめです。
当院ではたるんだ皮膚を切除して皮膚表面を引っ張り上げるスキンリフト、小範囲のSMAS収縮を行うSMASリフト弁法、頸部のたるみを解消する頸部のたるみ取りを行っています。
お一人おひとりに適した術式を選択することで、不自然さがなく、長期間にわたりリフトアップ効果を保つことができます。

ダウンタイムは個人差がありますが、一般的に腫れや内出血のピークは2週間程度です。
術後1～2週間程度は腫れが引き起こり、1～3ヶ月はむくみが出た状態となります。
1ヶ月程度経てば腫れはほとんど目立たなくなり、3ヶ月程度かけて安定します。
術後の痛みは処方薬によって軽減できます。
術後は、1週間後に抜糸と2～3回の通院が必要となります。
当院で行っている３つのフェイスリフトは、軽～中度のたるみの方が適応です。
どの術式も麻酔は局所麻酔のみで行うため、身体への負担も少なく、大掛かりなフェイスリフト術に比べ、術後のダウンタイムも比較的少ないことが特徴です。

余分な皮膚を切除し、縫い合わせることでフェイスラインをすっきり整える方法です。
SMAS（表在性筋膜）の操作は行わないため、手術の負担は軽く、比較的短時間で行える点が特徴です。
主に皮膚のゆるみが気になる方や、大がかりな施術までは希望されない方に向いています。
効果の持続はSMAS操作を伴う方法に比べると短めですが、ダウンタイムを抑えて自然な印象の改善を期待できます。

皮膚の下にあるSMAS（表在性筋膜）を部分的に収縮させることで、フェイスラインや頬のたるみをしっかりと引き上げる方法です。
皮膚のみのリフトに比べて深い層からアプローチできるため、より長期的な効果が期待できます。
大きな切開を必要としないため、フェイスリフトの中でも比較的負担の少ない術式とされます。
自然な仕上がりを求めつつ、一定のリフトアップを希望する方に適した治療です。

首から顎下にかけての余剰皮膚や脂肪を取り除き、広頸筋の処理やZ形成術を組み合わせて、輪郭をすっきり整える術式です。
年齢とともに目立つ首のしわや“二重あご”に効果的で、フェイスリフト単独では改善しにくい頸部のたるみに対応できます。
顎下を直接アプローチするため、首元から下顔面にかけて全体的な若々しさを取り戻すことが可能です。
顔だけでなく首まで自然に調和させたい方に適しています。
※Z形成術とは、皮膚をZ字状に切開・縫合することで傷跡の方向を分散させ、首のつっぱりや瘢痕を目立ちにくくする形成外科的手法です。

フェイスリフトの術後には、ドレーンという管を切開部から挿入し、弾性包帯による圧迫も行います。
ドレーンや包帯は、手術の1〜3日後にご来院いただき外します。

腫れについては、個人差もありますが、術後の腫れは1ヶ月程度で概ね引き、3ヶ月程度かけて安定します。
また手術後の痛みや腫れの緩和、傷の回復を早めるオプションメニュー『フェイスリフト術後ケア（フェイスリフトのためのプレミアムケア）』もございます。

フェイスリフトでは、耳の前後や頭皮内、生え際などを切開するため、術後しばらくは傷痕が赤く、硬くなります。
頭皮内切開の場合は、しばらくの間、一部髪の生えない場所があります。

傷は、通常術後3ヶ月程度で落ち着いていき、6ヶ月から1年程度経つとだいぶ目立たなくなりますが、完全に傷痕が消えるわけではありません。
傷痕がどの程度きれいになるかは、個人差が大きいことをご理解ください。